久々におもしろい連ドラにあたった。

ぼくは連ドラ評論家ではないので、あらゆるドラマを観ているというわけではない。

最近は、むしろ、Netflixなどの配信への企画を考えていて、そちらのチェックの方に重点を置いている。

なぜ「最愛」を観たかというと、ネットの記事で、ぼくが好きな湊かなえのドラマ「夜行観覧車」「リバース」と同じ脚本と監督が作っていると知ったからだ。

それで、湊かなえ原作ではない、というところがミソだ。

湊かなえといえば、イヤミスの女王と言われ、読後感があまりすっきりしない話が多い。

それが好きな人も多いと思う。

今回のドラマはそのあたりも気になるところだ。

展開は予想どおり、湊かなえっぽい。

現在と過去を行き来しながら、あの時ほんとはどうだった？というのがだんだん明らかになる仕組み。

そして、ラストはいやな気持ちが残るかと思ったら、絶品の最終回だった。

吉高由里子、松下航平、井浦新のそれぞれのやりとりとハーモニーがすばらしかった。

ここまで積み上げたキャラクターの思いが離れた場所でつながる瞬間。

特に、松下くんの演技は素晴らしかった。

演技力で言えば、酒向芳がすごすぎ。

ああ～、こういう人いるというリアルさで、めっちゃめんどくさい人を演じて、存在感は抜群だった。

彼が演じた渡辺は、罪も犯していないし悪人でもないのに、殺されてしまう。

それなのに、なぜかこれでいいんだと思ってしまった自分が恐ろしい。

最後まで観て、「最愛」というタイトルも秀逸だと思った。

最初は、吉高演じる姉の弟に対する愛情のことを言っているのかと思っていたが、このドラマの中には、いろんな「最愛」がある。

次もぜひTBS金曜枠でぜひやってほしい。